
AI時代を支える半導体と通信――2nm・HBM・光電融合・6G
目次
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なぜ「半導体」と「通信」を一緒に考えるのか
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そもそも半導体とは何か
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「2nm半導体」は何がすごいのか
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微細化だけでは性能を伸ばせなくなっている
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AI時代の主役はGPUだけではない
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HBM――AI半導体の近くに置く高速メモリー
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チップレットと先端パッケージ
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光電融合――電気の代わりに光でデータを運ぶ
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データセンターの本当の課題は電力と冷却
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5Gから6Gへ――速さ以外に何が変わる?
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通信ネットワークそのものがAI化する
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半導体が経済安全保障の問題になった理由
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日本の強みと弱み
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2026年以降の技術ロードマップ
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ニュースを読むときのチェックポイント
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まとめ
なぜ「半導体」と「通信」を一緒に考えるのか
これまで半導体と通信は、別々の産業として語られることが一般的でした。
しかし、生成AIやクラウドサービスが急速に広がったことで、両者を切り離して考えることが難しくなっています。
AIサービスが回答を返すまでには、次のような処理が行われています。
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利用者が通信ネットワーク経由で質問を送る
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データセンターが質問を受け取る
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GPUなどのAI半導体が計算する
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メモリーから大量のデータを読み出す
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複数の半導体やサーバー間で情報をやり取りする
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通信ネットワークを通じて回答を返す
この中の一か所でも遅ければ、AIサービス全体が遅くなります。
つまり、AI時代に必要なのは「高性能な半導体」だけではありません。
計算する半導体、データを保存するメモリー、半導体同士をつなぐ配線、サーバー間を結ぶ通信、電力、冷却を、一つのシステムとして設計すること
が重要なのです。
経済産業省も、2026年6月改訂の「半導体・デジタル産業戦略」で、データ、AIモデル、計算基盤、通信、電源、人材、セキュリティを一つのエコシステムとして構築する必要性を示しています。経済産業省「半導体・デジタル産業戦略検討会議」
そもそも半導体とは何か
半導体とは、電気を通す「導体」と、電気をほとんど通さない「絶縁体」の中間的な性質を持つ材料です。
この性質を利用して、電気の流れをオン・オフする小さなスイッチを作れます。このスイッチが「トランジスタ」です。
スマートフォンやパソコンの中にある半導体チップには、非常に多くのトランジスタが並んでいます。
トランジスタの組み合わせによって、次のような処理が行われます。
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数字を計算する
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データを記憶する
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画像を表示する
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無線信号を処理する
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センサーの情報を読み取る
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モーターや電源を制御する
半導体を都市に例えると、トランジスタは一つ一つの建物、配線は道路、メモリーは倉庫、通信回路は都市の外へつながる鉄道や高速道路です。
建物だけを小さくしても、道路が混雑していれば都市全体は速く動きません。現在の半導体開発でも、これと同じ問題が起きています。
「2nm半導体」は何がすごいのか
半導体のニュースでは、「5nm」「3nm」「2nm」といった数字が登場します。
nmはナノメートルと読み、1nmは10億分の1メートルです。
ただし、「2nm半導体」という名称が、チップ内のすべての部分が正確に2nmであることを意味するわけではありません。
現在のプロセス名称は、各世代の性能、消費電力、トランジスタ密度などを示す総合的な世代名に近いものです。
一般には新しい世代になるほど、次の改善が期待されます。
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同じ面積に多くのトランジスタを置ける
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同じ計算を少ない電力で行える
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同じ電力なら高い性能を出せる
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AIやスマートフォンの処理能力を高められる
しかし、数字が小さければ自動的に優れた製品になるわけではありません。
製造コスト、歩留まり、設計、メモリー、パッケージ、ソフトウェアなどを含めた総合性能が重要です。
微細化だけでは性能を伸ばせなくなっている
以前は、トランジスタを小さくすれば、半導体の性能と省エネ性を比較的素直に向上させられました。
ところが、トランジスタが原子に近いサイズになると、電気が意図しない場所へ漏れる、熱が集中する、製造上のばらつきが大きくなるといった問題が生じます。
そこで、トランジスタの構造自体が変わっています。
平面型トランジスタ
初期のトランジスタは、平らな面の上で電流を制御していました。
FinFET
電流が流れる部分を魚のひれのように立体化し、三方向から電流を制御します。
GAA
GAAは「Gate-All-Around」の略です。電流が流れる細い部分をゲートが周囲から囲み、より細かく電流を制御します。
水道管を一方向から押さえるより、周囲全体からバルブで制御する方が、水漏れを抑えやすいイメージです。
産総研やLSTCなどの研究グループは、2nm世代以降を想定したGAAトランジスタのゲート絶縁膜について、界面層を約0.2nmまで薄くする技術を発表しています。処理速度と消費電力を細かく調整するための研究です。産総研「先端ロジック半導体のゲート絶縁膜の新技術」
AI時代の主役はGPUだけではない
AI半導体というと、まずGPUを思い浮かべるかもしれません。
GPUは、同じ種類の計算を大量に並べて実行することが得意です。そのため、AIの学習や推論に向いています。
しかし、実際のAIシステムはGPUだけでは動きません。
構成要素主な役割CPUシステム全体を管理するGPU・AIアクセラレーターAIの大量計算を行うHBMAI半導体へ高速にデータを渡すネットワーク半導体サーバー間でデータを運ぶストレージ学習データやモデルを保存するパワー半導体電力を変換・制御する光通信部品大量のデータを光で送る冷却装置半導体から出る熱を逃がす
AI性能を決めるのは、単体のGPUの速さではありません。
GPUがデータを待っている時間、サーバー間通信の混雑、メモリー不足、電力制限、冷却能力などが、システム全体の性能を左右します。
HBM――AI半導体の近くに置く高速メモリー
AIモデルの計算では、大量のデータを何度もメモリーから読み出します。
計算する半導体がどれほど速くても、メモリーからデータが届かなければ待ち時間が生じます。これは「メモリーのボトルネック」と呼ばれます。
この問題への対応として重要になっているのがHBMです。
HBMは「High Bandwidth Memory」の略で、日本語では高帯域幅メモリーと呼ばれます。
通常のメモリーを郊外の倉庫に例えるなら、HBMは計算装置のすぐ隣に建てた高層倉庫です。
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メモリーを縦方向に積み重ねる
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多数の配線でAI半導体と接続する
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一度に大量のデータをやり取りする
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配線距離を短くして消費電力を抑える
AI需要が伸びるほど、GPUだけでなくHBMや、その製造装置、材料、パッケージング技術の重要性も高まります。
日本半導体製造装置協会も、AIサーバー向け先端ロジックとHBMを中心とするDRAM投資を、半導体製造装置需要の主要因として挙げています。SEAJ「半導体・FPD製造装置需要予測」
チップレットと先端パッケージ
一つの巨大な半導体チップにすべての機能を入れると、製造が難しくなり、不良品が発生したときの損失も大きくなります。
そこで注目されているのが「チップレット」です。
チップレットは、役割ごとに作った小さな半導体を、一つの製品の中で高速に接続する方式です。
お弁当に例えると、すべてを混ぜて一つの料理にするのではなく、ご飯、肉、野菜を別々に作り、弁当箱の中で組み合わせる方法です。
チップレットの利点
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機能ごとに最適な製造プロセスを使える
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良品の小さなチップを組み合わせられる
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製品ごとの設計変更がしやすい
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CPU、GPU、メモリー、通信回路を組み合わせられる
ただし、チップレット同士を高速・低消費電力で接続する技術が必要です。
そのため、半導体の競争は「前工程でどれだけ細く作るか」から、「前工程で作ったチップを、後工程でどう組み合わせるか」へ広がっています。
先端パッケージでは、次の技術が重要になります。
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インターポーザー
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2.5次元・3次元実装
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TSV
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高密度再配線層
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熱を逃がす材料
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チップレット間の通信規格
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光通信部品との一体化
光電融合――電気の代わりに光でデータを運ぶ
半導体内部やサーバー内部では、主に電気信号でデータを運んでいます。
しかし、通信速度を上げるほど、電気配線による発熱や消費電力が増えます。
そこで、データを光で運ぶ範囲を半導体の近くまで広げる「光電融合」が注目されています。
電気配線と光配線の違い
電気配線は、近距離では安くて扱いやすい一方、高速・長距離になるほど損失と発熱が増えます。
光配線は、大量のデータを長い距離へ高速に送りやすく、電気的な干渉を受けにくい特徴があります。
CPOとは
CPOは「Co-Packaged Optics」の略です。
ネットワーク処理を行う半導体と、電気信号を光信号へ変換する光部品を、同じパッケージの近くに配置します。
これにより、電気信号で伝送する距離を短くし、消費電力と遅延を抑えます。
NEDOの研究では、光ICをLSIの近くに一体集積する3次元光配線技術が実証されています。NEDO「光ICとLSIを一体集積可能とする3次元光配線技術」
NTTもIOWN構想において、ネットワークだけでなくボード間、チップ間、将来的にはチップ内部へ光技術を広げるロードマップを示しています。NTT「IOWNの機能と特性」
データセンターの本当の課題は電力と冷却
高性能なAI半導体を大量に並べると、非常に多くの電力を消費し、同時に大量の熱を発生させます。
半導体の性能が高くても、必要な電力を用意できなかったり、熱を外へ逃がせなかったりすれば、運用できません。
そのため、AIデータセンターでは次の技術が重要になっています。
液冷
空気ではなく、液体を使ってサーバーの熱を運びます。
液浸冷却
サーバーや半導体を、電気を通さない冷却液に浸します。
光通信
電気配線の距離を短くし、通信に使う電力と発熱を減らします。
パワー半導体
データセンターへ供給する電力を、効率良く変換します。
AIによる電力制御
利用状況に応じて計算処理を分散し、冷却や電力設備を最適化します。
つまり、これからの半導体競争では「1秒間に何回計算できるか」だけでなく、
1ワットの電力で、どれだけ有用な計算を完了できるか
が重要になります。
5Gから6Gへ――速さ以外に何が変わる?
6Gは、単に5Gより通信速度を上げる技術ではありません。
国際電気通信連合のITUでは、6Gを「IMT-2030」と呼び、世界共通の性能要件や評価方法を検討しています。
2026年にまとめられた技術要件では、次の利用場面が示されています。
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没入型通信
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高信頼・低遅延通信
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大量端末通信
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どこでもつながる通信
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AIと通信の統合
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センシングと通信の統合
ITU「IMT-2030 Technical Requirements」
6Gで想定される変化
通信とセンシングが一体化する
基地局の電波を、通信だけでなく、人や車、物体の位置や動きを把握するためにも使います。
AIがネットワークを制御する
混雑、電波状況、電力消費に応じて、AIが周波数や通信経路を調整します。
地上・衛星・空中通信を組み合わせる
地上基地局だけでなく、低軌道衛星、ドローン、高高度プラットフォームなどを組み合わせる研究が進みます。
省エネが重要になる
すべての場所で最高速度を出すのではなく、用途に応じて必要な性能だけを提供する設計が求められます。
5Gがすぐになくなるわけではない
6Gが導入されても、5Gは長期間残ります。
現実には、4G、5G、5G-Advanced、6G、Wi-Fi、衛星通信などを組み合わせて利用することになります。
通信ネットワークそのものがAI化する
従来の通信ネットワークでは、人が設定したルールに従って通信を制御していました。
しかし、6G時代には、周波数、基地局、通信経路、計算資源などを、AIがリアルタイムで調整する方向へ進みます。
たとえば、災害が起きたときには次のような制御が考えられます。
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一部の基地局が停止する
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AIが通信可能な基地局や衛星を探す
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緊急通信を優先する
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通常の動画通信などを一時的に制限する
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混雑を避けて通信経路を変更する
工場では、ロボット制御に必要な低遅延通信を優先し、一般通信は別の周波数帯へ移すといった運用も考えられます。
ただし、ネットワークをAIが制御するほど、新しいリスクも発生します。
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AIの判断ミス
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学習データの偏り
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AIモデルへのサイバー攻撃
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複数事業者間の責任分担
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AI制御が停止した場合の代替運用
そのため6Gでは、速度と同時に、セキュリティ、回復力、説明可能性が重要になります。
半導体が経済安全保障の問題になった理由
半導体は、スマートフォンだけに使われる部品ではありません。
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自動車
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通信基地局
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発電設備
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医療機器
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工場
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金融システム
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防衛装備
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AIデータセンター
など、社会の重要な機能を支えています。
そのため、特定の国や企業から半導体が供給されなくなると、幅広い産業が止まる可能性があります。
半導体の供給網には、次のプレイヤーが関わっています。
段階主な役割設計半導体の回路を設計するIP・EDA設計用の部品やソフトを提供する材料シリコンウエハー、化学材料などを供給する製造装置露光、成膜、エッチング、検査を行う前工程ウエハー上に回路を作る後工程切断、接続、パッケージ化する通信・クラウド半導体をシステムとして利用する
一つの国だけですべてを完結させることは困難です。
したがって、必要なのは完全な国産化ではなく、
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調達先を複数持つ
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重要部品の在庫を確保する
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代替設計を準備する
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同盟国・友好国と分業する
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輸出管理の対象を把握する
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サプライヤーのさらに先まで可視化する
といった供給網の強靱化です。
日本の強みと弱み
日本の強み
半導体材料
シリコンウエハー、フォトレジスト、電子材料など、製造に欠かせない分野で高い技術力があります。
半導体製造装置
成膜、洗浄、検査、切断などの装置分野に強みがあります。
光通信・光部品
光ファイバー、光学材料、レーザー、光コネクターなど、光電融合に必要な技術の蓄積があります。
パワー半導体
自動車、電力、鉄道、産業機器向けの省エネ技術に強みがあります。
産業用機器との連携
自動車、ロボット、製造装置など、半導体を利用する産業との距離が近いことも強みです。
日本の弱み
先端ロジックの量産基盤
最先端のロジック半導体を大規模に量産する能力は、海外の主要ファウンドリーに比べて再構築の途中です。
大規模なAI計算基盤
AIモデルの開発には、半導体だけでなく、大量の計算資源、電力、データが必要です。
事業化の速度
研究成果があっても、標準化、量産、顧客開拓までに時間がかかる場合があります。
人材
半導体の設計、製造、パッケージ、光技術、通信、AIを横断できる人材が不足しています。
日本の勝ち筋は、すべてを国内だけで作ることではありません。
材料、装置、光電融合、パワー半導体、先端パッケージなどの強みを、国内外の製造拠点やAI企業とつなげることです。
2026年以降の技術ロードマップ

2026~2028年
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先端ロジックの製造技術を確立
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HBMと先端パッケージへの投資が拡大
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AIデータセンター向けネットワーク半導体が成長
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CPO・光電融合の試作と初期導入
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6Gの性能要件と評価方法を策定
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冷却・電源・サイバーセキュリティを設計段階から組み込む
2029~2031年
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チップレットの相互接続規格が定着
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複数メーカーのチップを組み合わせる製品が拡大
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データセンター内の光配線範囲が広がる
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6Gの初期商用導入が始まる可能性
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通信、センシング、測位、AI処理が一体化
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5Gと6Gが共存
2032~2035年
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半導体チップ間の光接続が普及
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AIがネットワークと計算資源を同時に制御
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地上網、衛星網、データセンター、エッジ拠点が連携
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消費電力当たりの計算性能が主要評価指標になる
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半導体製造でも資源循環や温室効果ガス削減が重要になる
2036年以降
性能競争の中心は、「何nmか」だけではなくなります。
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どのチップを組み合わせるか
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メモリーをどこに置くか
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電気と光をどう使い分けるか
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どの場所でAIを計算するか
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どれだけ少ない電力で処理できるか
というシステム全体の設計が競争力を決めます。
ニュースを読むときのチェックポイント
「2nm」だけで判断しない
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歩留まりはどの程度か
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量産か試作か
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同じ電力条件で比較しているか
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チップ面積やパッケージ条件は同じか
「世界初」の範囲を確認する
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研究室での試作か
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サンプル出荷か
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顧客が使う量産品か
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一部機能だけの実証か
AI半導体の性能条件を確認する
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学習か推論か
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半導体単体か、サーバー全体か
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消費電力を含むか
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メモリーと通信の条件は同じか
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実際のAIモデルで比較しているか
6Gの発表を区別する
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研究構想
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技術実証
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周波数割当
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国際標準
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商用サービス
これらは別の段階です。
「6G実現」と書かれていても、電波を送る要素実験に成功しただけの場合があります。
市場予測は前提を見る
半導体市場の予測は、AI投資、景気、為替、輸出規制、工場建設などで大きく変わります。
市場規模の数字だけでなく、次の点を確認する必要があります。
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誰が予測したのか
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基準年はいつか
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装置、材料、半導体製品のどれを含むか
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名目金額か実質金額か
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為替条件は何か
まとめ
半導体と通信は、AI時代の二つの基盤です。
半導体が計算を行い、通信がデータを運びます。しかし、両者の間には、メモリー、パッケージ、光部品、電力、冷却という重要な技術があります。
これからの注目点は、次のとおりです。
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先端半導体は2nm世代とGAAへ進む
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AI性能はGPUだけでなくHBMと通信で決まる
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チップレットと先端パッケージの重要性が高まる
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電気配線の限界を補う光電融合が進む
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データセンターでは電力と冷却が最大級の制約になる
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6Gは高速化だけでなく、AI・センシング・衛星通信を統合する
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半導体の供給網は経済安全保障そのものになる
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日本は材料、装置、光技術、パワー半導体、製造業連携に強みを持つ
つまり、半導体産業の競争は「最も小さなトランジスタを作った企業が勝つ」という単純なものではありません。
半導体、メモリー、パッケージ、光通信、ネットワーク、電力、冷却を、最も効率良く一つのシステムにできた国・企業が優位になる
という競争へ変わっています。
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